3.プロジェクト学習

プロジェクト学習

カリキュラム③ プロジェクト学習
プロジェクト学習では、問題解決能力を身に付けることを目的とします。
個人またはグループで取り組みます。
1週間に1回(80分×1コマ)、または2回(80分×2コマ)行ないます。


(1) プロジェクト学習の進め方

 1.テーマを決める 日頃「知りたい!」とか「どうして?」と思っていることをテーマに決めます
 2.調べる インターネットや図鑑で調べたり、現地見学やインタビューを行ったりします
 3.まとめる 調べた内容やわかったこと(結論)を、画用紙にまとめたり、プレゼンテーションソフトなどを利用して、資料を作ります
 4.発表する まとめたことを、発表会でみんなに発表します

(2) プロジェクト学習 テーマの例

・温暖化はなぜ起こるのか?
・土星の輪の正体は?
・ニュージーランドのペンギンについて
・映画館ではどうしてポップコーンを食べるの?
・べっこう飴はどうやって作るの?

など様々なテーマを子どもたちは見つけてきます。
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(3) プロジェクト学習の取組事例

「交通信号について」5年生Yくん (2004年3学期)
「盲導犬について」2年生Aちゃん(2006年1学期)

テーマ:「バードコール作り」 (2008年1学期)
 4年生のMちゃんはプロジェクト学習で「鳥」について取り組んでいました。六甲山のびのびロッジには色々な鳥がやってくるので、興味を持ったのです。インターネットや図鑑で、六甲山にいる鳥について調べ、自分のオリジナル野鳥図鑑を作りました。
 そして、その図鑑を使って、実際に自分の目で鳥を観察したいと思ったのですが、鳴き声が聞こえても姿が見えなかったり、姿が見えてもすぐに逃げてしまったり...思うように観察できずに困っていました。

 そんな時、ある本にバードコールがのっていました。バードコールが「鳥の鳴き声に似た音が鳴り、鳥を呼ぶ道具」ということを知ると、「これで鳥を呼び寄せて観察できる。作ってみたい!」と言い出しました。
 ですが、Mちゃんは実際にバードコールを見たこともなく、本には作り方が書かれていません。
 そこで、ナビとも相談しながら考え「木とネジなどを擦りあわせればできるのでは...」というアイディアを基に作ってみることにしました。キリで板に穴を開け、そこにネジを差し込んで、第1号が完成。しかし、全く音は鳴りません。
 でも、こんなことでMちゃんはあきらめません。材料を色々と変えてみます。かまぼこ板を使った2号、コルクを使った3号、固い板を使った4号、かまぼこ板を重ねて使った5号...などなど、Mちゃんは自分で考えたアイディアを次々に形にし、試しましたが、鳥の鳴き声のような音はなかなか鳴りませんでした。


 それでも、Mちゃんはまだまだあきらめません。ナビから「摩擦が大きいと音も大きくなるかも」というアドバイスをもらうと、キリで開ける穴を小さくし、そこにネジを差し込んでいくように工夫して作ってみました。すると、「キーコ、キーコ」と良い音がなりました!
 これまでに作った種類は約7種類。本業の鳥観察はそっちのけで約2ヶ月間、バードコール作りに没頭していました。「これでバードコールが完成して、ようやく観察が始まるな」とナビは思っていました。
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IMG_5696b.jpg  ところが...Mちゃんはそれでは満足せず、「もっと大きな音を鳴らしたい!」とさらなる改良を続けることに。「ギターみたいに箱型にすると音が響いて大きくなるんじゃないか」と音楽好きのMちゃんらしいアイディアが生まれました!早速、木の板を付け足し、箱型にしてバードコールを作って鳴らしてみると...「キーコ!キーコ!!」見事前作のバードコールよりも大きくて良い音がなりました!しかもその音色はまるで鳥の鳴き声のよう。
 早速、外に出て鳴らしてみます。「キーコ!キーコ!!」すると鳥が、「ピー!ピー!!」と元気よく返事をし、近づいてきました。
 このバードコールのおかげで、以前よりも近くで鳥を観察できるようになったMちゃんは、よほど嬉しかったのか、それからと言うもの、いつもバードコールを持ち歩くようになりました。

 Mちゃんは、これまでも、苦手な逆上がりや、跳び箱など、自分のやりたいことには満足するまで繰り返しチャレンジしてきました。
 私はそうやって地道に努力を続けるMちゃんを見ていると、数々の偉人の姿を思い浮かべてしまいます。ピカソは自分の表現の可能性に挑戦し続け、生涯で8万点もの作品を残しました。手塚治虫はディズニーのアニメ映画「バンビ」を映画館で100回も繰り返し見て、アニメーションの勉強をしたそうです。エジソンは何千回、何万回も失敗を繰り返した末に、数々の発明品を生み出しました。
 そんな偉人の姿とMちゃんを重ねて感動してしまう私は親馬鹿ならぬ、ナビ馬鹿とでも言うのでしょうか...。

カリキュラム③ プロジェクト学習
プロジェクト学習では、問題解決能力を身に付けることを目的とします。
個人またはグループで取り組みます。
1週間に1回(80分×1コマ)、または2回(80分×2コマ)行ないます。
(3) プロジェクト学習の取組事例
テーマ:「交通信号」 (2004年3学期)
 5年生のYくんは、人前に出てみんなを笑わせることが大好きで、根はすっごく真面目で興味を持ったことにはドンドン打ち込む男の子です。
3学期のプロジェクト学習のテーマに、彼は「交通信号」を選びました。

pj%2004%203rd-1.jpg  インターネットで調べることが大得意の彼は、自分で"信号のページ"を探してきて、熟読していました。パソコンが好きなので、始めのうちは、信号の絵をペイントで描いたり、信号の動きをワードで書いていました。
 そんな中、これぞプロジェクト学習の真髄と思えることがありました。毎朝六甲山のびのびロッジへバスで移動しているのですが、たまたま彼の横に座った時、バスが止まる度に身を乗り出して信号を観察していたのです。そして
「あれは、どこの会社で作られたか知ってる?」と私に質問しました。信号に興味を持っても、信号の製作会社までは興味を持つとは思っていなかったし、信号機自体に種類があって、製作会社が違うことを私は全然知りませんでした。確かによく見てみると、信号といえども形や色が微妙に違うのです。好きだからこそ、ドンドン調べたくなる、そしてもっと興味がわく。これってすごいことだと思いませんか?
 この彼の興味を生かして身近なところで他の子にも興味を持ってもらえる発表を、と思って、「信号の写真を撮りに行く?」と提案してみました。すると「行きたい」というので、撮影に出かけました。それが左の写真です。7~8箇所で撮った写真を使って展示物を作りました。「どこの会社で作られたでしょう」とクイズ形式にして、見てもらうための工夫をしていました。
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 ちょうど発表会でプロジェクターが使えるようになったので、彼のパソコン好きを活かして、もっとわかりやすい資料作りができるのではないかと思い、「パワーポイントを使ってみたら?」と提案してみました。
 最初は乗り気ではなかったのですが、中学生の子がパワーポイントを使って遊んでいたのをじっと見ていて彼は自分でも使い始めました。こちらが使い方を教えたわけではないのに自分で使い方を学んで、資料作りに励みました。
 「試行錯誤する」ことに恐怖感やとまどいがないので、未知の世界に足を踏み入れることをこわがらず、そこから自分で学ぶ力がついています。そこは安心して見ていました。
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 発表会では、プロジェクターに資料を写して見せながら、堂々とした話しぶりでした。インターネットで調べた、変わった動きをする信号を、パワーポイントの資料で動きを表しながら、たくさん紹介していました。資料がわかりやすくなったので、観客の保護者や友達からは、「すごいね!」や「よくわかったよ」と絶賛する声がたくさん聞こえてきました。
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 プロジェクト学習は興味を持ったことを調べ、まとめることで、じっくりと深く追求することができます。「知りたい!」と思って自分で苦労して得た知識は、これからの彼らの糧になることは間違いないでしょうし、「みんなに知ってほしい!」と思って人に伝える練習が小学生のうちからできるというのは、これから役立つことだと思います。発表に関しては回を重ねるごとに、それぞれのペースでどんどんレベルアップしています。
 ナビゲータは子どもたちの興味に沿って自分で調べられるようにアドバイスをし、発表という形にもっていくために選択肢を示すなど、手助けをしています。今回のパワーポイントや信号撮影はその一つで、こちらがちょっとヒントを出すと、それだけでもう子どもたちはどんどん進んでいきます。毎回どんなテーマが出てくるか、どんな発表になるのかが、とても楽しみです。
カリキュラム③ プロジェクト学習

プロジェクト学習では、問題解決能力を身に付けることを目的とします。

個人またはグループで取り組みます。

1週間に1回(80分×1コマ)、または2回(80分×2コマ)行ないます。

(3) プロジェクト学習の取組事例


テーマ:「盲導犬について」 (2006年1学期)
 2年生のAちゃんが選んだプロジェクトのテーマは、「クィールは盲導犬になった」というこの本を題材にした、「盲導犬について」です。このテーマを、4月から6月まで二ヶ月にわたって取り組みました。

 盲導犬に興味を持ったのはある出来事がきっかけでした。彼女はスクールへ向かう途中、横断歩道で目の不自由なおばさんに出逢いました。そして、その横には一匹の犬がいました。彼女はその犬を見て、「お散歩している犬とは様子が違うみたい」「犬とおばさんはとっても仲良さそう」と感じ、これが彼女が初めにドキッとしたことだったようです。犬を観察したところ、胴のところに皮のヒモがついていて、おばさんはその先についている取っ手を持っていました。すぐさま、彼女は側にいたお父さんに質問し、その犬が目の不自由な人を援助する「盲導犬」だということを知ります。

 そこから、盲導犬のことが気になり色んなことを知りたくなったのです。


 その後、くすぐられた彼女の探求心は、休むことなく一気に勢いを増して走り出していきました。盲導犬クィールのビデオを見たり、図書館で本を借りたり、ネットで調べたりしました。ものすごい勢いで盲導犬の種類や、どうすれば盲導犬になり、活躍していけるのかなど、いろんなことを吸収し始めました。また、盲導犬のことを調べる中で、目の不自由な人のために横断歩道には、点字ブロックがあることも知り、その意味も理解しました。


 「自分が興味を持って調べたことをみんなにも聞いてもらいたい!知ってもらいたい!!」という想いもふつふつと湧いてきて、発表会に向けてまとめていくことになりました。たくさんのことを発表することはできないので、ひとつに絞らなければなりません。そこで彼女が選んだのは、「クィールはもうどう犬になった」という1冊の本でした。この本にはたくさんの写真と文で、クィールが生まれ、色んな人との関わりを通して盲導犬に育ち、立派に活躍していることが綴られています。この本を、何度も何度も読み、内容を紙に書いて理解しようとしました。

 そして、発表用に難しい言葉を自分の言葉に書き換えて、まとめました。この作業に一月近くかけて取り組みました。そして、リハーサルも行い、みんなにどうすればより伝わるかを考えました。
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pj%2006%201st-2.jpg  発表会で、彼女は、黒板に発表することを順番に書き、まとめたノートを読みました。彼女の横でナビが、本の写真をみんなに見せていました。

 発表している彼女は、実に堂々としていて自分の伝えたいことをしっかり話していました。

 観客からたくさん質問してもらい、興味を持ってもらえたことが嬉しかった様子です。そして、何よりここまでやり遂げた達成感でとても満足した顔をしていました。


 子どもたちがプロジェクト学習に取り組むこと、それは単にカリキュラムをこなすことではありません。自分のこだわり、自分の想いを追求していくこと。大きな、心の中にある光った「たまご」みたいなものを自分で育てていくような感じにも思えます。それに向かっている子どもたちの顔は、とても真剣できらきら光っているのです。

 そして「自分で決めて、取り組んで、伝える」という経験こそが、自分の意見や主張を言うという「大きな自信」につながっていくことだと思います。

 彼女は 次の新たなるテーマ「米」に向かって進み出し、もうすでに関係者にインタビューしに行ったとのことです。とても楽しんでプロジェクトに取り組んでいます。