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2.テーマ学習 アーカイブ

2007年05月08日

テーマ学習

カリキュラム ②テーマ学習

子どもにとって興味深いテーマを設け、 そのテーマに沿って様々な側面から学びます。

(1) テーマ学習の進め方

テーマに沿って、様々な取り組みを行います。
 ~ 調べる、実験する、作る、話し合う、考える、まとめる、発表する

そうした取り組みを通して、以下の基礎的な学習項目を横断的に学びます。
 ~ コミュニケーション(日本語・英語)、算数、理科、社会、芸術

テーマはバランスを考慮して選び、1週間に2回(80分×2コマ)行ないます。

(2) テーマ学習の例
クラス テーマ
小学生 低学年 わたしとあなた、春の自然、パン、光とかげ、お店、
みのりの秋、おまつり、行く年来る年、交通
中学年 川の自然、水、あたためる、紙、星空、磁石、
地図、木工、オーマイ兵庫、ゴミ
高学年 植物、電池、お金、建築、飛行機、雪、技、
伝える、天体
中学生 幕末、波、働く、大航海、エネルギー、福祉、
世界の家、今年のニュース、ECO、混ぜる

他にも、全クラスで同じテーマに取り組み、それぞれの学年に合わせた学習をします。
 例:オリンピック、日本文化、夢

(3) テーマ学習の取組事例

・テーマ「伝える」(小学中高学年)(2004年1~3月)


< テーマ学習 : 海とくらし > (小学中学年)(2006年6~7月)
 1学期後半のテーマ学習は夏が近いこともあり、全学年“海”に関連したことに取り組みました。中でも3~4年生は「海とくらし」と題し、“海の恵み”である海産物を出発点に、海は私たちの暮らしとどのように関わっているかを考えました。周りを海に囲まれている日本の食卓には、外国と比べると、特に魚介類がたくさんあります。西洋化されたとはいえ、まだまだ昔と同じように海から恩恵を受けて生活しています。そこで魚を食卓に届けるまでにたくさんの人が関わっていることを知ってほしい。また海の大きな役割の一つである「運ぶ」にも目を向け、外国との貿易によって暮らしが豊かになってきたことを知ってほしいと思って、このテーマに取り組みました。
海産物はどこからやってくるの?
 まず、身近な場所から興味を持つために、阪急岡本駅近くの魚屋とスーパーへ行き、魚がどのように売られていて、どんな魚がどこからやってきたのかを調査しました。「どこから魚を仕入れるのですか」「どうして魚屋になったのですか」など積極的にお店の人に質問をしたり、じっと店先にあるものを観察しメモやスケッチをしたりなど子どもによって反応は様々ですが、社会の場から学んでいきました。 theme%2006%201st-1.jpg
魚屋さんで切り身の作り方を教わったよ →
セリって何?漁業って何?
theme%2006%201st-2.jpg  その後、明石の昼セリの見学に行きました。そこでは船が着いて漁師さんがセリにかける魚を運んでいるのを目の当たりにしました。生きのいい魚を届けるために、生きたまま生け簀に入れてセリにかけるなど工夫していることがわかりました。漁業センターでは養殖漁業の取り組みを知り、実際にヒラメやタイの稚魚を見たり、サザエやアワビの赤ちゃんを見ました。
← 明石の昼セリを見学。言葉がわかんな~い
自分で調べよう
 テーマ学習で大切にしていることの一つに各自が「調べて学ぶ」ということがあります。自分でインターネットや本を使って調べ出すととてもイキイキと意欲的に学び始めます。今回は2つのトピックを調べることにしました。一つ目は魚を1種類選び、どこでいつどんな方法で捕れるのかを調べました。二つ目は漁師さんに注目して漁業の形態の違いで漁師さんの暮らしにどんな違いがあるのかを調べました。
このテーマを通して学んだこと
 ここで1人の子どもの様子を紹介します。絵を描くことが大好きで得意なKくんは、調査に行った店先で見たものをさっとスケッチをし、発表の資料を作る時は自信を持って絵を描いていました。以前から『絵を描くこと』は彼の表現手段の一つとして大きな強みなのです。周りの友達も「Kくんは絵が上手だよね~」などと言って認めています。

 実はKくん、初めは魚に触れることを嫌がっていたのです。見学に出かけた漁業センターの魚に触れるコーナーで、他の子がうれしそうに触っているのを見ながらも、彼は手を出さずに見ていました。でもその後一つ目の調べ学習で、サバについて調べたり、須磨海浜水族園の裏側で魚にイカやイワシをえさとしてあげたりするなど、このテーマ学習を通じて何回か魚を見て触れる機会を持つと、興味が出てきたようです。魚料理をした時には、楽しんで魚をさばいていました。調理後アジの唐揚げは持って帰ると言っていたのですが、他の子が「おいしい」と言うので一口食べてみると、、、そのあと全部食べ切っていました。

 そんな彼は二つ目の調べ学習で漁師さんに注目して漁業について調べる時、何を調べるか決めかねていました。図書館から借りてきた、漁業についての本がたくさんあったので、何冊かを渡しました。彼はそのうちの1冊をめくり、収穫されたたくさんの魚が一面に大きく写っているページを「わぁ」と言ってじっと見つめていました。「魚いっぱいやなあ」とビックリした様子でした。そして「これを調べる」と決めました。

 魚に興味を持ち始めた彼の目は“大漁”の魚に釘付け。その本には沖合漁業の漁師さんの一日が書いてありました。一緒にその本を見て“漁師さんは朝2時に起きて3時に出港する”、“丸一日以上船の中で過ごし、網のあげおろしを10回する”、“捕った魚は船の生け簀に入れて市場に運ぶ”などがわかりました。Kくんはもともと本を読むのが好きなので、内容をしっかり理解しながら読んでいました。
そして発表のためにその本の内容をまとめることにしました。まず、底引き網漁の船の絵を、本の写真を見ながら、画用紙に見えやすいように大きく描きました。次に、本の文章をナビと一緒に抜き出してノートに書いていきました。なんとノート3ページに渡って文章を書き上げたのです!1時間近くもずっと黙々と書き続けていました。今までは得意の絵で表現していたことが多かったのですが、今回は文章をたくさん書いて言葉で伝えようとしたのです。ノートにはあふれんばかりに字で埋め尽くされていきました。
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 発表会の質問で「漁師さんを調べて、漁師になりたいと思いましたか?」と聞かれ、彼は「うん」と大きな声で自信を持って答えていました。決して楽ではない漁師さんの生活がわかったと思うのですが、それよりもたくさん調べ書き出したことを皆に伝えることができた達成感が彼の大きくうなずいたところに表れていました。

 このテーマを通じ、彼が魚や漁師さんの仕事に興味を持ったことが大きな収穫です。このように、テーマ学習は、社会のことを身近な話題と共に取り上げ、様々な分野に興味を持ちながら学び、視野を広げることを目的に取り組んでいます。

2007年05月16日

テーマ「伝える」(小学中高学年) (2004年1~3月)

カリキュラム ②テーマ学習

子どもにとって興味深いテーマを設け、 そのテーマに沿って様々な側面から学びます。

(3) テーマ学習の取組事例


< テーマ学習 : 伝える > (小学中・高学年)(2004年1~3月)
 小学3~6年生を対象に「伝える」というテーマ学習を実施しました。
自分の意見をしっかりと言うことが出来る子が多いのですが、意見を言う時にもう少し工夫したり、もっと相手の気持ちを汲み取ったり、そんなコミュニケーション能力が付けばいいなとナビゲータ側で考えて、このテーマを選びました。
言葉がなかったら、どうやって伝える?
 前半では「伝える手段には何があるか」、「言葉がなかったらどうするか」をジェスチャーゲームや、伝言ゲームなど様々な体験を通して、気持ちをしっかり伝えるにはどうすればいいか考えました。
 例えばジェスチャーでは上手くいっても、言葉を使える伝言ゲームでは成功しなかったりと、子どもたちはだいぶ苦労していました。
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伝言ゲームの様子 →
テレビは何を伝えているの?
theme%2004%203rd-2.jpg  後半では身近に接している新聞やラジオ、テレビなどのマスメディアはいったい何を私たちに伝えてくれているかを考えていきました。ラジオやテレビで活躍中のキャスターである森田真奈美さんに話を伺った時には、「伝えることで大切なことは滑舌(カツゼツ)よく話すこと」だとを聴きました。
 そして発表に向けて、今までこのテーマで学んだことを活かして“子どもが創るニュース番組とCM制作”を1ヶ月かけて取り組みました。

← 自作のラジオを聴いてマス。聴こえる?
ニュース番組を作ろう!
theme%2004%203rd-3.jpg  ディレクターやカメラ係、タイムキーパーなどの役割や、誰がどんなニュースを紹介するかなど子どもたちだけで考えて進めていきました。ニュース番組もCM制作も、ニュースの素材探しや番組構成、撮影や編集などと、子どもにはハードワークでしたが、ナビゲータからは簡単なフォローと、撮影や編集などの技術的アドバイスだけで、子どもたちが主体的に考えて創り、なんとか完成させました。 theme%2004%203rd-4.jpg
theme%2004%203rd-5.jpg  本番では、全員がキャスターになってニュースを伝えました。左の写真はちょうど本番の3秒前で、メインキャスターの2人とタイムキーパーが写っています。
このテーマを通して学んだこと
 このテーマを通して「これこそが伝えるだな」と強く感じたことがあったので紹介します。

 彼女は当時4年生で、とてもしっかりしていて芯の通った子です。でも、人前で発表することはとても苦手で、原稿で顔が隠れてしまい、声もほとんど聞こえません。
 発表本番2日前にみんなでリハーサルをしたのですが、彼女は原稿を半分ほどしか読まず、声もほとんど聞き取れないままリハーサルを終えてしまいました。その後、そのリハーサルの状況をみんなでビデオを見て確認し、それぞれがよくないところの意見を出し合いました。彼女は3年生の子から「原稿を自分の言葉に替えれば、上を向いてもう少し大きな声で話せるんじゃない?」とズバリ指摘されました。
 今までだったら、「私はこれでいいの!」と言うはずの彼女ですが、この時はビデオで自分の姿を客観的に見たというのもあって、ハッと気づいたらしく、一目散にパソコンに向かい、原稿を自分の言葉に書き直していました。僕はこの様子を横目で見ていて、これが真の「伝える」だなと感心しました。
 

 翌日が発表会でした。どこかに自信が生まれたのか、今回はお母さんに見に来るよう誘って発表に臨みました。
 声はまだあまり出ていませんが、顔をあげ、カメラに目を向け、以前とは比べようもないくらいに堂々としたキャスターになっていました。

 今回は彼女だけに限らず、他の子もここでの教訓を活かして、堂々と楽しく発表をしていました。今後も学期に2回ほど発表会があるので、それぞれが個性を出して、しっかりと「伝える」発表をしてくれることを期待しています。
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