ラーンネット通信

戦争について考えよう(高学年クラス)

開校27年「出る杭を伸ばす!」探究的な学びで子どもの成長をサポートする神戸市のオルタナティブスクール、ラーンネット・グローバルスクール。今回のラーンネット通信では、探究カリキュラムの一つであるテーマ学習についてご紹介します。

高学年の2学期後半のテーマ学習は「近代日本と戦争」。

低学年からこれまで「大むかし」、「平安」、「武士」とやってきた歴史シリーズの最終章です。このテーマ学習で気付いて欲しいことは「知る」事の大切さです。「なにが起こったのか」、「なぜ起こったのか」、「その結果どうなったのか」を知ることで、今後どのような行動をとるべきなのかが見えてきます。第二次世界大戦では、多くの日本人が真実を知らずに戦争に巻き込まれ、たくさんの犠牲者を出しました。「なぜ無謀な戦争を仕掛けたのか」、「もっと早く戦争をやめることはできなかったのか」など、戦争を知り、考えることで、今起こっている戦争やこれから起こるかもしれない戦争について考えるきっかけにして欲しいと思いながら取り組みました。

クラスの中では幕末~昭和に起こった出来事と関係する人物について学んでいきました。人物はそれぞれ何人か選んでもらい、その人物がやった事や関係する出来事などを調べてみんなに紹介してもらいました。毎朝2・3人ずつ紹介していったのですが、そのうちに偉人たちが何歳まで生きたのかが気になりだしていったのが面白かったです。ちなみに今回取り上げた人物の中で一番長生きしたのは「ネルソン・マンデラ」で95才でした。(日本人最高齢は渋沢栄一91才!)

人物紹介で「陸奥宗光」「小村寿太郎」を担当したNKくんは、戦争の後、日本に有利な条約を結んだり、前に結ばれた不平等条約を改正する為に尽力し、歴史の中で地味だけど大事な役割を果たしている外交官のすごさを知りました。更に第二次世界大戦中にユダヤ人がナチスの支配地から逃れるために尽力した「杉原千畝」の事を調べ、「外交官になりたい」と感じるまでになりました。歴史学習の醍醐味のひとつ、「偉人にあこがれその生き方を自分の指針にする」です。

探究シェアリングでは「戦争をなくすには」と「これからの戦争/第三次世界大戦は起こるのか」の2つの討論テーマを設け、保護者・在校生・ナビゲータで一緒に話をしました。驚いたのは、テーマ学習で戦争を学んだ5・6年生以外の子たちも話し合いに参加し、色々な意見をみんなに伝えていたことです。分からないこともまだたくさんありますが、自分が思う事をしっかりと発言できるのはさすがラーンネット生だなと感じました。保護者からもいろいろな意見を聞くことができ、子ども達の学びが一層深まったと思います。

 


討論テーマ「戦争をなくすには」の様子


討論テーマ「これからの戦争/第三次世界大戦は起こるのか」

 

テーマ学習の振り返りで「歴史にそれほど興味がなかったけど、今回のテーマは面白かった」と言ってくれる子が何人かいて、ナビみょう利に尽きるなぁと思いました。私は何回もこのテーマ学習を担当していますが、みんなの食いつきの良さに、話をしていて楽しく感じることができました。この相乗効果がいい学びを生むんだろうなぁと改めて思いました。

これからも、戦争について考えていってね。

(くまちゃん)